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大峯への登山について

 魂(こころ)の道・祈り

写真:弥山山頂付近

古の日本人は、遥かなる峰々・豊かな森・断崖絶壁などに畏敬の念を抱き、また水を生み、生命の源と考えた山岳に対して、神聖な場所として崇めてきました。この自然崇拝や神道と仏教などが融和したものが修験道であり、中でもわが国最初の山岳信仰の聖地として1300年の歴史を刻み、今なお多くの修験者が山に入り自身を見つめるなど修行に訪れており、ここ天川村、大峯の山々は少なからず日本人の精神形成に影響を与えた場所といえます。

自然と一体となった景観・文化・歴史。多くの高僧・貴人が訪れ新たなものを生み出し、また再起を促す大切な場所として、聖なる自然環境を受け継ぎ、高い次元で保全しなければならないことを、多くの皆さんに理解していただかなければなりません。

 「大峯」の特徴

紀伊半島の背骨ともなる雄大な風景や吉野熊野国立公園特別保護地区など大切な「自然」があるのもさることながら、特にわが国で一番最初に「信仰の対象」として上り始めたとされる山々であり、今なお修験者と呼ばれる山伏や自分を見つめなおそうとして山に入る人々が修行を積む、1300年の歴史ある聖域に分け入る事になります。

この大峯周辺からは、奈良時代の遺物が出土するなど、古くから参詣があったものと思われ、また吉野・熊野を結ぶ大峯奥駈道には「七十五靡(なびき)」といういわゆる礼拝所が存在し、お札などが置かれています。 これらの自然や文化的景観を含めて「世界遺産」となったものであり、この特徴ある歴史性・精神性を充分ご理解いただき、登山下さいますようお願い致します。

また、大峯山脈は山が深いのが特徴で、毎年、遭難事故等が発生しています。登山の際には、必ず登山地図にてコースや資料を確認し、食糧・装備等は充分に、また、登山届を駐在所などに提出して下さい。

 山岳事故の特徴

「奈良の山がこんなに深いとは……」

近畿最高峰を擁する大峯の山々は、山が深く、似たような尾根が続くのが特徴です。最近地図も持たず、軽装の登山者が多いのが気がかりです!

「奈良の山で、天候がこんなに違うことになるとは……」

山頂付近では、例年11月に初雪が降り、5月の連休まで積雪が残っています。また、台風時には何日も前から南の暖かい風が吹き出します。出発する下界は晴れてても、山頂はガスやあられなど。ガスで視界は3mといったことも。さあ、どうします?

刻々と変化する気象状況(気温)も含めて、自然を楽しむ・そしてあきらめるのも登山。修行の場として歴史を刻んできた聖地「大峯」の山々を楽しむ充分な装備を。

「道迷い」のときは

急な天候の変化なども含め、冷静な対応を。迷いやすいところでは踏み跡や枝などに巻いてあるテープを手がかりに! また地図とコンパスは必携。時間にも余裕を! 道中は最小限の看板類しかありません。山はそういうところです。

滑落に注意!

滑りやすいところだけではありません。疲労や体調により踏みはずすことや、これくらいといったところこそ慎重に。足を置いた切り株が腐っていて、そのまま谷へなど、ちょっとした不注意が大事故に。命の危険と隣り合わせであることを自覚して、とにかく無理をせず、山を甘く見ないこと。

 万が一の際に備えましょう

  • 必ず登山届を提出しましょう(駐在所や登山口にポストも)
  • 携帯電話を持参。場所によって通話可能エリアがあります(通常は圏外ですので、電池の消耗に備え電源を切っておきましょう)
  • 天候の急変などにより、道に迷ったら=木の枝に巻かれているテープなどの手がかりを見つけましょう。=引き返す勇気も必要です。谷へ下らず、一旦尾根に上りましょう

 マナーやルールを守って楽しい山旅を

  • 登山道になっているところ以外を歩かない
  • ゴミは持ち帰る
  • 山中の動植物は貴重な宝です。捕獲・持ち帰りなどは犯罪です。とるのは写真だけ 残すのは足跡だけ……大峯の山々の特異性(自然・歴史・文化)をご理解下さり、くれぐれもご協力をお願い申し上げます

 登山のあとは

登山のあとは、秘湯の風情たっぷり、便利な村営の日帰り入浴施設をご利用下さい。

ゴールデンウィーク・夏休みの土日・お盆前後・3連休の中日などを中心に混雑します。特に天の川温泉では、これらの日には待ち時間が出ますので、御了承願います。みずはの湯が脱衣場・洗い場も広く、比較的混雑していません。

 
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